【報告】12月9日(土)協創シンポジウム2023「対話フォーラム こどもの『まなび』『あそび』『そだち』」を開催しました。

12月はNPO月間。NPO月間に毎年行っている協創シンポジウムですが、今年は「子どものまなび、あそび、育ち」をタイトルに、「こども」をテーマにしたNPOによる情報提供、学びあいの場をつくりだしました。
前半は、2022年・2023年度の県民応援NPOプロジェクト採択団体の中間報告、後半はNPO法人せたがや子育てネット代表理事の松田妙子さんの講演、そして「すべてのこどもが健やかに育つ場をつくる」をテーマに参加者とのグループセッションを行いました。

目次

第1部 県民応援NPOプロジェクト中間報告

特定非営利活動法人いろ葉「度会郡に児童発達⽀援における地域中核⽀援機関をつくります」


郡部に発達支援が必要な子ども達が通える施設がない、と児童発達支援施設を開設。現在、児童115名が利用しています。課題は母子保健行政との連携と人材や資金など資源の不足です。今後、まだ支援がいきわたっていない地域の子ども達に質の高い支援が届くよう事業を展開したいと考えています。

特定非営利活動法人心結舎「学校や勉強が苦⼿な⼦のための学び場〜灯り〜」


個別学習「灯り」「学ぼう会」「子ども食堂」を実施しています。個別学習には現在9名の子ども達が利用しています。読み書きが苦手な子どもたちがいます。学校の勉強についていけなくて学校に行きたくないという子どもがいます。一人一人の力や状況にあった学習内容をマンツーマンであればていねいにすることができます。今年から、個別学習を必要としている子ども達が個別学習につながるようにと、宿題の補助を行う「宿題カフェ」を始めました。学ぼう会では、子どもたち同士の信頼関係ができ、いろんな人に出会い、いろいろなものに触れ、子ども達の興味関心がひろがり、将来の夢を考えることができました。課題は、このようないろいろな取組みに対応するための職員のスキルアップです。今後は、放課後児童クラブの事業と組み合わせた活動の展開を検討していきたい、です。

特定非営利活動法人アートタウンプロジェクト
「三重の未来は明るい!⼦ども達、若者達がアートでつながる街づくりプロジェクト」

三重大学の近くにある学生寮だった一軒家をリフォームして拠点(施設)を作りました。そこで、1日に時間帯を分けて、居場所支援「フリースクール(step)」「学童教室(sunny)」「アート教室(parasol)」の開設、運営。アートを通じた子ども達の居場所づくりを行っています。施設内だけでなく、いくつもの屋外イベントに参加して、アート体験を行なってきました。一人で描くこと、つくること、みんなで描くこと、つくることなどいろいろな方法で子ども達に寄り添った活動をしてきました。たくさんの子どもたちがアートに触れる機会を設けることができました。課題は告知宣伝、子ども達の募集宣伝、マンパワーの少なさです。活動を多くの人に知ってほしいし、子ども達に届けたい。組織については、学生ボランティアに支えられて活動をしているため、少し不安定なところがあります。今後は、安定した運営や、地域との協働によるイベントをしたいと考えています。

NPO法人shining「『制服リユース』子ども達が安心して勉強できる環境を」

「制服問題」をご存知ですか。制服は高額であり、こどもの成長は早くすぐに着られなくなり、かつ処分に困る。制服購入への困窮家庭の負担軽減や、リユースすることで環境にもよいことから制服リユース事業をすすめています。鈴鹿市内の小中学校、図書館、社会福祉協議会、高校等に回収ボックスを設置。回収した制服や体操服の安価での販売を11月から始めました。クリーニングや補修は地元企業に協力していただいています。課題は周知です。学校によって回収数に差があります。今後は卒業する生徒へのチラシ配布やイベント出店等で周知を図り、回収から販売へのサイクルを確立させたいと考えています。

子どもの多様な学びを育む会in三重「三重県に子どものための『多様な学び場』を広めよう!」

「子どもたちが自由に学びのスタイルを選択できる社会」を目指して、県内のオルタナティブスクールが連携し活動を始めました。いくつかのオルタナティブスクールと合同キャンプ、大運動会などを行い、子ども同士の交流の機会をもちました。子どもの学びに関して悩みのある保護者を対象にした多様な学びの相談会や映画上映会も実施しました。先進事例見学会や情報交換、他団体との交流を重ね、加盟団体のエンパワーメントを図りました。また、学校へのチラシ配布やフリーペーパーへの情報掲載などの広報活動も積極的に行いました。この間の活動からオルタナティブスクール、多様な学びの場への多くのニーズに触れました。課題は、学校関係者や行政の理解促進と子どもたちの受け皿の不足、オルタナティブスクールの横のつながりの強化です。教育関係者を対象にしたイベントの開催やオルタナティブスクールの立ち上げ支援、リスト化などをすすめていきます。

子どもアドボカシーセンターMIE「子どもの声を聴く~子どもアドボカシーをすべての子どもに」

子どもアドボカシーは「子どもの声を聞くマイクの役割」です。現在、三重県の委託事業として一時保護所や児童養護施設で子どもの話を聞く活動を行なっています。子どもの意見を聞く人をアドボケイトというのですが、アドボケイトの養成講座も実施しています。一時保護所や児童養護施設でのアドボケイト活動もとても重要ですが、三重県内すべての子どもたちに「子どもの声を聞く人」を届けるためには学校への訪問が必須です。そのためには教育委員会や学校の理解、資金やアドボケイトの確保が必要です。子どもの権利に対する理解もまだまだであり、子どもの権利をきちんと伝えていく活動も必要です。子どもアドボカシーや子どもの権利に関する周知、広報が不足しています。東員町の小学校でアドボケイト訪問が実施できる予定です。子どもの権利としてアドボケイトがいかに大切で重要かを伝え、学校や子ども達がいる場所で進めていきたいと考えています。

第2部 松田妙子さん講演会「子どもの育ちの場をつくる」

松田さんは東京世田谷区で特に乳幼児をもつ家庭を対象にした「子育て」活動を実践されています。「子どもの育ちの場をつくる」。最初に見せていただいたスライドは「子育ては大玉おくり」というイラスト。「『子育て』はいろいろな人が大玉(子育て)を手で受け止めて次の人に渡していくようなもの。大きく手を広げてしっかり受け止める人もいる、少しだけ手を上げる人もいる、子どももいる、もちろん、手を出さない人もいる。」と松田さんは話されました。そしてもう1枚のイラストスライド。「いまある支援」と「広く深い予防」をもっと!全ての人にライフジャケットが配られている安心の社会を作ることが大切です、と話されます。船が遭難してから浮輪を投げても浮輪だけでは助かる人はごくわずかです。船に乗る時にライフジャケットを配布していれば…とも話されます。
松田さんはいろいろな活動をされてきたなかで、政策提言を大切にしています。政策提言と言うと固く聞こえますが、行政、自治体の方との対話の場をつくられます。その一例が「区民版子ども子育て会議」です。
「最初は市民が手弁当で始め、ここに呼びたい人を呼ぶ、というスタンスで始めました。大切にしていたのは『対等な立場で要望の場ではない」ということ。行政の方も来てくださるようになり、官民で会議が盛り上がるようになりました。そして、会議の場所を行政が確保してくださるようになり…。行政の計画策定と並行して市民の対話の場をつくることができました。」
他に、地域子育て支援拠点事業を受託し、地域全体で子育てに関わること、活動継続のために制度を活用すること、子育ての現場である地域、地域の自治体との関係性を以下に育むか、についてお話しいただきました。

第3部 全体セッション「すべてのこどもが健やかに育つ場をつくる」

第3部のセッションでは、参加者が8グループに分かれて、県民応援NPOプロジェクト6団体との報告と松田さんの講演を受けてのトークセッションです。最初に、第1部、第2部のまとめとして、「子どもを取り巻く社会環境に抑圧され悲鳴を上げている子ども達がいます。一方で、1999年に子どもの権利条約ができ、日本も批准しています。子どもの権利とは、『生きる権利』『育つ権利』『守られる権利』『参加する権利』。そして原則は、「命を守られ成長できること」「子どもにとって最もよいこと」「差別のないこと」「意見を表明し参加できること」です。県民応援NPOプロジェクト6団体の活動はまさに子どもの権利を守るための活動です。松田さんのお話にもあったように、子どもが暮らす地域が連携をし、こどもまんなか、こども主体の地域社会をつくる。そのためには、個々のNPOの活動だけではなく、NPO同士、NPOと他のセクターがつながって必要な取組みをすることが大切です。」と主催者が話し、その後、各グループで感想やコメントを聞きあい、「すべてのこどもが健やかに育つ場を作るためには何が必要か」について意見を交わしました。

[参加者の発表コメント]
・行政との対等な話し合いの場づくりをしないといけない。
0歳からの子どもが何をしたいと言える環境をサポートする役割が必要。
大人の私たちの学びって何だろうなという話をした。
何のために活動をしているのかに目を向けないといけない。 
・子どもの声をしっかり聴く。
貧困家庭だと参加費が支払えないが、子どもの本当の声を聴く。
図にあるように子どもをまんなかにしてそれぞれの立場で、企業、行政、学校がつながりをもって子どもが取り残されずにしっかりとらまえていける。
三重県には「子どもの居場所」ニーズ・シーズマッチング事業がある。すごい仕組みである。求めていることと、求められていることがマッチしたらうまくいく。この事業を知らなかった。行政の方と民間、学校が話し合える場を作ることが大切だと思った。

懇親会&フリートーク

その後、懇親会を行いました。フォーラムで話しきれなかったことを話したり、名刺交換をしたり、
あっという間に時間が経ちました。

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