【報告】「市民の交通サミット」開催

2023年6月3日(土)に、G7交通大臣会合応援事業「市民の交通サミット」を開催しました。
G7交通大臣会合が6月16日(金)~18日(日)に三重県志摩市で開催されることに先立ち、地域格差・高齢化、バリアフリーといった社会状況における多様なニーズのもと、私たちの「移動の自由」を確保するために、今後どのような政策、民間サービスなどの必要性について意見を交わす場となりました。

 

<問題提起「地域でささえあう交通システムをどうつくるか」>

〇地域公共交通の育み方 〜今ある資源をいかそう!

「当事者意識をもつ、まずは乗る、不便を楽しむ」
松本幸正氏(名城大学理工学部社会基盤デザイン工学科教授)
人口減少や高齢化といった状況下では、地域で持続可能な公共交通手段が必要であり、そのためにはまず積極的に公共交通を利用して未来を考えていくことが大切である、とお話しいただきました。

 

〇地域でささえあう交通システムをどうつくるか

「誰もが使える公共交通機関に」
杉田 宏氏(NPO法人ピアサポートみえ理事長) 
障害当事者として、日常生活でどのような困難に直面しているのか、事例を交えながらお話しいただきました。また、公共交通のハード面・ソフト面の整備する際の協議などプロセスにおいて当事者の参画が必要であること、をお話しいただきました。

 

〇「市民の交通サミット」開催に際しての問題意識

「社会全体で公共交通手段を再構築する」
岩崎 恭典氏(四日市大学学長)
公共交通を取り巻く状況の深刻さのついてお話しいただき、自家用車利用を中心とした「移動の自由」ではなく、社会全体で、今ある公共交通手段と新たに必要な公共交通手段をどう組み合わせてインフラ整備をするか、再構築を協議する場が必要である、と語られました。

 

<分科会>

【第1分科会】地域住民が創り出した「ささえあう」移動のしくみ

事例報告1「お買い物無償送迎バス事業」(伊賀市柘植地域)
NPO法人ゆいの里 理事長 岡島正尚氏
伊賀市の交通空白地域で、住民の要望から発足したNPO法人がマックスバリュと提携して10年以上運行している買い物支援バスの事例を発表していただきました。

事例報告2 鈴鹿市庄内地区・椿地区合同事業おでかけ支援サービス
庄内地区地域づくり協議会会長 大石徹也氏
庄内地区地域づくり協議会委員 古川ひろみ氏
鈴鹿市の中山間地域にある庄内地区と椿地区が合同で実施する外出支援サービス「おでかけハッピー号」の事例を発表していただきました。

【第2分科会】自治体が進める市民のニーズに対応した「ささえあう」交通のしくみ

事例報告1 おでかけ応援サービス「えがお」
紀北町企画課主幹兼係長 藤原 純一氏
平成28年12月に町内のタクシー事業者が撤退し、公共交通空白地域が16地区できてしまいました。そこで交通空白地有償輸送として令和2年から実施した、おでかけ支援サービス「えがお」の実証実験から見出したこと、それを踏まえて実施している現状のサービス、さらに今後の展開についてお話しいただきました。

事例報告2 明和町の公共交通取組事例  
明和町生活環境課課長 丹合 信隆氏
明和町の公共交通である明和町民バス、デマンドタクシーのチョイソコめいひめ(町営)とmobi(民営)の事例を発表していただき、それぞれの特色、住民の利用状況、今抱えている課題、今後の展開についてお話しいただきました。

【第3分科会】だれもとりのこさない「ささえあう交通」のしくみ

事例報告1 ~誰も取り残さない公共交通のあり方について車いす移動の自分が思うこと~
西 清子さん(伊賀出身 京都在住 車椅子ユーザー)
「日々の生活であたりまえに移動するための問題を解消するために必要なことはなんだろうか。」
車いすユーザーの視点から現状や課題、当事者として今後あるべき公共交通手段やしくみについてお話しいただきました。

事例報告2 だれもとりのこさない「支えあう交通のしくみ」
辻 せつ子さん(UDアドバイザー)
80代の家族の暮らしから「移動の確保」について話されました。誰もが一人で自由に移動ができるために、誰もが移動手段を選択できるように、選択できるための情報提供がされるために、何が必要なのかを、当事者も若い人もみんなで考えることが大切である、と話されました。

<ステークホルダーダイアログ>

ステークホルダーダイアログでは、各分科会で話された内容について共有し、それを踏まえて参加者の皆さんとの意見交換を行いました。

参加者の皆さんから出された主な意見

・地域の公共交通の仕組みを持続可能にすること。そのための収支や人件費、コストをどう負担するか、収支をどう立てるかが重要である。
・地域のコンセンサスが重要である。
・地域資源を活かして地域を支える仕組みが必要である。
・地域の様々な交通手段を活かすことが重要である。
・地域ニーズをデータ化して、そのデータを戦略的に活用した地域の公共交通の仕組みの構築が必要である。
・当事者、移動に困難を抱えている人のニーズを受けとめる人や場が必要である。

 

<「市民の交通サミット」提言書づくり>

事前に3名のゲストと作成した提案書案をたたき台に、参加者の皆さんからご意見、ご提案をいただきながら作り上げていきました。いただいた意見・提案は20余り。開催後にも期限を設けてお寄せいただくこととしました。

★提言書は6月14日に完成!当センターホームページに掲載しています。ご覧ください。
https://www.mienpo.net/news/teigen_2023/

 

<ゲストコメント>

松本幸正氏
多様な方が集まった素晴らしい場である。市民、社会福祉協議会、障害のある方が集まり、公共交通を考え、公共交通を変えていこうこのような提言をまとめていく場がとても良かった。ぜひこういう場をつくっていただきたい。そして実行に移していきたい。

岩崎恭典氏
多様な人が集まっていることが重要である。平場でこのように重要なことを、重要な状況であることを語り合うことが大切である。

杉田宏氏
提言書に対してこれだけの多様な価値観の人が発言している。すごい会である。G7をきっかけにこのような集まる機会をが持てたことが大きな一歩である。誰も取り残さないというメッセージを大切にしていきたい。

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