【特集】東海ろうきん子どもの未来応援寄付金採択団体の「特定非営利活動法人どんぐりの会」に行ってきました!

10月上旬、東海ろうきん子どもの未来応援寄付金採択団体の「特定非営利活動法人どんぐりの会」に行ってきました。

「特定非営利活動法人どんぐりの会」とは…
どんぐりの会は、誰もが安心して子育てができる教育格差のない社会、誰もが好きな仕事に就ける就労格差のない社会を目指して、できることを考え、地域の方々と協力しながら活動をしています。主に保育・障がい者支援事業、飛び出し注意喚起看板の設置・維持管理事業などを行っています。

今回採択された事業は、学童保育に通う子どもたちが参加する津市美杉町での自然体験活動です。
事業は8月に実施され、その時の様子を代表の池田さんに伺いました。

どのような自然体験活動をしたのか、というと、もりだくさんの以下の活動です。
・丸太切り体験(檜のコースターづくり)
・火おこし体験
・丸太コンロでの料理(自分たちで起こした火を使ったソーセージ焼き体験)
・ピザ作り
・流しそうめん
・スイカ割り
・ツリーハウスやブランコの体験
・川遊び

「丸太切りやコースターづくりは、子どもたちはのこぎりの使い方に苦戦していました。ピザづくりと流しそうめんは、グループに分けて実施。ピザ窯を使用したので、子どもたちも初めて見るものに、とても興味を示していました。これまで施設での流しそうめんはしたことがありましたが、川の流れを使ったのは初めて。自然にたくさん触れ、自然を利用した体験をしてきました。」

「どんぐりの会」では、これまでも食育に取り組んでいましたが、コロナの影響で実施ができない状況が続きました。今回のプログラムでは、「作る」楽しみを子どもたちに体験してほしくて、今回このような体験を行ったそうです。
子どもたちから、「部屋の中でのゲームよりも、自然の中で遊ぶ楽しさを友達に伝えたい。」
「川遊びは楽しかった。けれどもテレビでは川遊びでなくなる子どもや大人がいて残念だと思った。どうしてかなと思った。楽しいと反対に怖いとも思った。」といった感想がありました。

「初めて自然体験に参加した子どもたちは、体験の中で、協力し合うことや何回も努力することの大切さ、危険を回避するためにルールを守ることの大切さを実感していました。コロナ禍で体験活動が少なくなっていた中、今回の活動を通して、子どもたちが色々な遊びを経験して色々な感想が出ました。体験活動の大切さを、改めて実感しました。」と池田さんは話されました。

「どんぐりの会」の立ち上げや、他の活動についても伺いました。

池田さんは自身の体験から、「どんぐりの会」を立ち上げよう、と決意されました。
「子どもが幼い頃から一人で子育てと仕事の両立に奮闘していました。保育園に通っていた頃は延長保育もあり、残業などが発生した場合も預ける時間の融通が利きました。でも、子どもが小学生になってからは、学童保育の預り時間が短く、仕事があっても休まなければならない状況でした。運営も保護者会が実施していて、先生が足りない場合は保護者が入るなどでした。小学校1年生の頃は、仕事をどうしようかと悩みました。たまたま、母の支援があったからよかったけれど、援助がなかったら仕事を続けられなかっただろうし、正社員を辞めてパートに転向することにもなっていたかも。子どもにお金がかかる時期にキャリアを止めてしまう。世間では女性活躍推進とは言っているけれども、こんなんではあかんやん!と痛感しました。」
「同じ思いをする人が子どもが小学校に入ると必ずいる、私の経験をいかして何とかしないといけない。」その思いから「どんぐりの会」を立ち上げ、学童保育事業を始めました。

立ち上げ当時の重要課題は、公的補助がなく利用料が高くなってしまうことが課題でした。そのため利用料以外での収入の確保が必要でした。
そこで始めたのが、「飛び出し注意看板」事業です。企業から協賛をいただき、「飛び出し坊や」の看板に企業名をいれて、看板の維持管理費を頂く。それを学童保育事業の運営資金に回す。企業の社会貢献事業の仕組みです。協賛していただきやすいよう、協賛企業の従業員は学童保育の利用料を割引・入会金なしにするなど、協賛企業の社員の福利厚生になる仕組みとして企業に提案してきました。

現在は、津市久居小野辺町と戸木町の2か所の学童保育施設で100人程の子どもたちが利用しています。「どんぐりの会」では、保護者のお迎えが来るまで預かる、ことをスタンスとしています。「残業で遅くなる場合や社員旅行でお迎えが夜になる時も預かります。社員旅行は『ぜひ行ってきて!楽しんできて』と声をかけます。日曜や祝日の預かりもしています。

また、現在は乳幼児の預かりができるよう、認可外保育の「このみルーム」も開設。「このみルーム」を始めたきっかけはとお聞きすると、
「土日祝日に上のお子さんの預かりしている保護者の方から、下の子どもも預かってもらえない?と言われました。当時は乳幼児の日祝日の預りが可能な施設が少なかったんです。なので、開設しました。」

また、戸木町では障がい者の就労支援施設「Liberta」の運営も行っています。
ここでは、他にはない水産漁業にも携われる就労支援も実施しています。

池田さんは昔、得意なことがあるにもかかわらず、それを活かせない仕事環境にある障がい者の方を見て、自分だけの力では何もできず、悔しい思いをしていたことがありました。

「ある時、水を触ることが好きな障がい者の就労訓練に関する番組が放送されていました。就労訓練がなかなかうまくいかず、調理場の洗い場での作業はどうかとすすめてみると、水に触る仕事を楽しそうに喜んでやるようになった、という内容でした。それを見た時、得意なことや好きなことを仕事にすることがすごく大事だと思った。」池田さんは言います。

「戸木に学童保育所を開設する際に、水産漁業システムの開発業者と出会う機会があり、この番組を思い出して相談すると、「ぜひ福祉に役立ててもらいたい」という返事をいただきました。そこで、水産業業に関する就労支援をやってみようと施設を立ち上げました。」

「就労支援に通っている方には、掃除や学童に来ている子どもたちの音読を聞いてもらう仕事もお願いしています。後天的に半身まひで車いすだった方が、子どもと関わる中で、杖で歩き出すようになり、介護度が5から3になったんです。
 またある時、足の不自由な方が帰ろうとすると、子どもたちが床に出していたおもちゃを片付け始めたんです。その方が通りやすいように。
 子どもたちは、大人が言わないとできない、ではなく、子どもたち自身が状況を見て、他者への配慮ができるようになる、思いやりや助け合いをもってだれもが共存できる環境をつくりだすことができる、と感じました。

就労支援に通っている方も、子どもたちと一緒の時間を過ごすことで変化が起きています。
仕事に対する意欲が生まれ、飛び出し注意看板を組んだり、スタッフと点検をするなどの新しい仕事にもチャレンジされています。
今はスタッフと一緒にという仕事が多いですが、将来的には、一人でできればいいなと思っています。『誰かのためになっている仕事をしている』とやる気になっている方もいるので、単純作業だけではなく、自分が得意なことや好きなこと、人と人との関わりを感じられる仕事に皆さんが就けるようになればいいなと。

池田さんのエネルギーとアクティブさに言葉を失いました。自身の経験から取り組んだ「学童保育事業」、「飛び出し看板」事業を通しての企業とのコラボ、「乳幼児保育事業」「就労支援事業」、さらには「水産漁業とのマッチング事業」。ニーズを読みとり、つなぎ、発展させていく力とネットワーク力、さまざまな出会いから活動のヒントを得ている池田さん。今後の活動展開が楽しみです。
最後にメッセージをと聞くと、「より多くの人に活動を知ってもらいたい。」と話してくださいました。

<特定非営利活動法人どんぐりの会(津市)>
・ホームページ:https://npo-dongurinokai.org
・フェイスブック:https://facebook.com/dongurinokai.npo/

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