熱中手帖。−これまで×これから−

熱中手帖。−これまで×これから− vol.9

三重を「幸せな仕事」をしている人たちでいっぱいにしたい

NPO法人 a trio[ア トリオ]
理事長 山口 友美

「個人」「組織」「地域社会」のつなぎ役になる

団体設立のきっかけと経緯をお聞かせください。

 私たちは、三重の人々が仕事を通して自己実現し、地域活性化に貢献すること、つまり「幸せな仕事」をしている人たちでいっぱいにすることをミッションに、平成17年に法人を設立しました。当初は若者にもっとベンチャーマインドを持ってもらいたいと、ビジネスアイデアコンテストや異業種交流会などを開催していました。
 その頃は主に「個人」の生き方や働き方のサポートをしていたのですが、活動するなかで、働き方というものは経営者の方々と一緒に考えていかないと変わらない、という思いに至り、会社という「組織」にも目を向けるようになりました。
 しかし「組織」にも、会社以外にNPO法人や学校、行政機関などさまざまな形があり、それぞれが「地域社会」と密接につながっています。幸せな仕事をする、ということを考えたとき、個人の能力でも会社や雇用の中でも完結する話ではなかったんです。そこで、それまで個人対象だった活動から、地域の中でより良い仕事をしていくための活動へと事業を拡げ、「個人」「組織」「地域社会」をつなぐ“ハブ”(*)になるという今の形にたどり着きました。

*ハブ:つなぎ役

さまざまな体験を通して、自分の将来のビジョンを確立してほしい

現在取り組まれている教育協働事業の目的とは?

 現在の主な取り組みとしては、学校教育現場と地域社会を結ぶ協働事業を行っています。
 私は長年キャリアコンサルタントとして、学校や企業などで、人材育成に関わってきました。そこで感じたのは、小学校・中学校・高校・大学・社会人と、人のライフステージはすべてつながっており、教育もまたつながっているということです。しかし、各ステージに関わる団体同士はそれぞれに立場や役割があるため、連携がうまくいかなかったり、できないことがあったりしました。そんな行き詰まりも見えてきたなか、地域の中で人を育てる必要性を感じていました。これまで作ってきたネットワークを軸足にすれば、私たちがつなぎ役になれると考え、「社会を支える人をつくろう」という思いのもと、協働事業を提案したのが始まりです。
 最初に行った協働事業は、高校生を対象としたインターンシップ事業「三重チャレ」です。広域公募型なので生徒さんのモチベーションも高く、体験後の発表会も感動的でした。
 そこからさらに発展してできたのが「しごと密着体験事業」です。インターンシップと大きく異なる特徴は、「働いている人を観察する」ということ。仕事内容について説明を受けた後、プロの仕事を間近で2時間じっくり観察します。職業選択や進路選択の前に、社会にはいろんな仕事があることを“働く人を通して”感じてもらおう、という取り組みです。実際の職場を知ることでどんな勉強をすれば良いかなど、自分の将来のビジョンにも結びつきますし、働くことに対する価値観も生まれるでしょう。なので、企業側の人選も重要になってきます。自分たちが持つ“働く価値観”を生徒さんたちに伝えないといけませんからね。実際、そういう点で社員教育の一環としての効果もあるんですよ。
 これらの取り組みは家庭・学校・行政・地域、つまり「個人」「組織」「地域社会」それぞれに関わる方々が教育を地域に対する投資と考え、つながり協力しあうことで実施できました。個々に支援するのではなく、それぞれを「つなぐ」ことが大事なんだ、ということも改めて感じましたね。このような活動を一つずつ積み重ねることで、私たちが目指すミッションに近づいていくのかなと思います。
 結局、働き方は生き方なんです。生き方を確立しないと働き方は決まらないし、ブレてしまいます。
この協働事業には、いろんな体験の中から自分たちの生き方や働き方を確立してほしいという思いを込めているんですよ。

ネットワークを拡げ、コーディネートを発展させていきたい

今後の展望についてお聞かせください。

 NPOは、自分たちが持っている“資源を活かした強み”をもって、地域を継続的に見守っていける組織です。私たちはそんなNPOであることに誇りを持っています。また、みんなが「幸せな仕事」をするためには、キャリア教育の概念や必要性を、企業や家庭の方々それぞれの組織文化に合わせた分かりやすい言葉で伝え、継続的にいろいろな団体をサポーターとしてコーディネートしていくことが役目だと考えています。
 だから、今後は「三重チャレ」や「しごと密着体験」の事業を三重県下全域に広めていきたいですね。また、違う形のインターンシップとして、大学生と社会人を対象とした事業や、家庭教育への発信として保護者と関わる活動もしていきたいなと思いますし、今までのネットワークを活かして、企業とNPO、企業と行政など、産官学の中でさまざまなコーディネートを発展させていけたら、とも思います。現在、学生、会社員、一般の方を対象に、三重チャレサポーターを募集しています。「三重・教育CSR」と検索してHPをご覧いただけたら嬉しいです。

三重大学での会議のようす

【データ】

NPO法人 a trio[ア トリオ]
住所 〒514-1125 三重県津市久居元町2361-2 MC第一ビル101
Tel 059-253-7657
Fax 059-253-7659
E-mail info@a-trio.net
ホームページ http://a-trio.net/
代表者 理事長 山口 友美
団体設立年月日  2003年12月1日
NPO法人化年月日 2005年2月17日
会員数 30名
会費 個人会員1,000円 法人会員50,000円