熱中手帖。−これまで×これから−

熱中手帖。−これまで×これから− vol.2

熱い想いと志摩の
“やい気(やる気)”で
地元を盛り上げたい

志摩いそぶえ会
会長 伊藤 泰子

郷土料理で志摩を元気にしたい

団体を設立したきっかけからお聞かせください。

 志摩の観光や独自産業に元気がなくなってきた時期でしたし、今までどおりの活動ではまちおこしに限界があると感じたので、地元に伝わる“志摩の食文化”を切り口にした、地域活性化のための活動を行う「志摩いそぶえ会」を発足しました。
 そこで、地元の郷土料理をいろんな方に紹介するため『きらりレシピ』の制作に取りかかりました。今まで郷土料理のレシピはなかったので、自分たちが昔から知っている料理の他に、志摩市の郷土料理を掘り起こすために、地元の海女さんや漁師さん、お年寄りの方にお話を伺うことから始めました。郷土料理は地元の人にとっては当たり前の料理ですが、レシピにして残すことで、貴重な食文化を継承していく意味もあるんです。
 制作で一番苦労したのが、料理を説明するときの「言葉」の使い方でした。どうしても“志摩の方言”が出てしまって。何度も市役所や有識者の方に見ていただきましたが、本当に大変でした。
 材料の提供や写真撮影なども、たくさんの地元の方々に協力してもらいました。いろんな人たちに協力してもらったおかげで、1年かけてようやく『きらりレシピ』が完成したんです。

今の「志摩いそぶえ会」があるのは、私たちにパソコンを教えてくださった先生のおかげ

どのようにして郷土料理の情報を発信していますか?

 『きらりレシピ』は会費や寄付などを募って制作したものですから、これ以上印刷しようと思っても作れるかどうか分からないんですね。だから、ホームページがあれば、あまりお金をかけずにレシピを掲載して、もっと多くの人に見てもらえるのに…と思っていました。
 ただ、メンバーにはパソコンに詳しい者はおらず、「ホームページを作りたいけどパソコンが分からない」とモヤモヤしている時、たまたま南伊勢町から志摩に来られていた方がその話を聞いて、「サポートしますよ」と申し出てくださったんです。相談してから決まるまで10分くらいやったかな(笑)。その方からパソコンを教えてもらえることが決まったんです。
 習い始めて2カ月後くらいにブログを始め、レシピも掲載し始めました。いろんなホームページも見るようになって、ある時農林水産省のホームページを見たら、「食と地域の絆づくり」という地域活性化に取り組む事例の募集をしていたんです。そこで、ちょっと勇気を出して応募してみたら、なんと優良事例として選ばれたんですよ!同じく、農林水産省の「食アメニティコンテスト」でも賞をいただきました。これらをきっかけにして、メディアからの取材がたくさん来ましてね。郷土料理を通じた“志摩の食文化”を紹介する機会に恵まれ、志摩のPRにもつながりました。
 今では、フェイスブックを使った情報発信も始めています。平成24(2012)年4月に、BSフジの「Table of dreams 〜夢の食卓〜」で放送された主催イベント「一緒に食べよう。志摩」も、実はフェイスブックのつながりがきっかけで生まれた企画だったんです。BSフジさんと打ち合わせをしてから、開催するまでわずか2カ月と忙しかったですが、当日は大盛況で、約200人のお客様が志摩に来てくださいました。これだけ大勢の方たちが集まるイベントを2カ月で行うのは大変でしたが、来てくださった皆さんの笑顔を見たら、疲れも吹き飛びました。「来年もあったらぜひ来たい」というありがたいお声もいただき、やりがいを感じましたね。
 『きらりレシピ』の制作から始まり、インターネットによる情報発信を行ったおかげで、“志摩の食文化”と郷土料理の知名度を上げることができました。うれしいことに、地元特産物の需要も増えて、価値も上がったんですよ。今の「志摩いそぶえ会」があるのは、私たちにパソコンを教えてくださった先生のおかげに他なりません。

志摩市を一つの“商店”として売り込んでいきたい

これからどのような活動を続けていきたいとお考えですか?

 ボランティアやまちおこしといった活動は、準備にかける時間など、目に見えない部分で苦労することが多いため、熱い想いがないと続けられません。それでも、私たちがここまで来られたのは、志摩の気質でもある“やい気(やる気)”のおかげやな。
 私たちは「志摩市」を一つの“商店”として考えています。志摩市全体を売り込むことで、自分たちの地域も潤っていくと思うんです。これからも、志摩でしか手に入らない特産物をPRすることで、志摩市の価値を今よりもっと上げていきたいですね。そのためには、地元のみんなが足並みをそろえて、志摩の“やい気”で盛り上げていくことが必要不可欠やと思います。
 また、子どもたちにふるさとの味を残していきたいので、学校の「食育」の授業などを通じて、郷土料理を伝えたいと思っています。地元の郷土料理を“食べる”ことは、子どもたちにとって、地域を守ることにつながる大事なことですからね。

慶事・弔事を問わず、さまざまな場面で重宝される“てこね寿司”。
一つひとつにおもてなしの心が込められている。

【データ】

志摩いそぶえ会
住所 〒517-0703 三重県志摩市志摩町和具524
Tel 0599-85-4567
Fax 0599-85-6336
E-mail omotenasioosima@yahoo.co.jp
ホームページ http://www.izumi-soft.co.jp/~scoal/isobue_koushiki/index.html
代表者 会長 伊藤 泰子
団体設立年月日 平成15年11月1日
会員数 28人
会費 6,000円