熱中手帖。−これまで×これから−

熱中手帖。−これまで×これから− vol.1

「遊ぶ」
「ふれあう」
「暮らす」

特定非 営利活動法人サルシカ
代表理事/サルシカ隊長 奥田 裕久

三重県の魅力をもっと伝えていきたい

団体を設立した経緯と、地域が抱えている課題とは?

 「田舎暮らしがしたい!」そんな想いを持って、5年前に神奈川県から三重県津市美里町に引っ越して来ました。しかし、実際に生活をしてみると、想像以上に田舎暮らしが大変であると共に、自然保護や過疎化といった、地域の特有の課題に直面しはじめました。
 例えば、里山の問題があります。一度人の手が加わった里山は、人の手を加え続けないと自然そのものが壊れてしまうんですよ。地域の里山を守り続けながら共存してきた「里山文化」は、世界に誇ることができる文化なんです。でも、後継者問題等をはじめ、さまざまな問題があり、誇るべき文化が失われようとしている現実を知りました。さまざまな課題に直面していくうちに、自分の娘に「帰ってくることができるふるさとを残したい」「里山文化を守りたい」という強い想いが生まれました。
 あと、三重県の情報が、東京や神奈川などの関東地方に正しく伝わっていなかったことも、団体を設立したきっかけの1つです。都会には、田舎暮らしをしたいと考えている人は多いと思います。それなら三重県や津市の情報を上手く発信することで、都会の人たちから注目を集め、地域の活性化に繋げることができるのではないかと考えました。
 そこで、三重県に住むことの魅力、田舎暮らしの魅力、そこに住む人の魅力、その土地の文化の魅力などの情報を正しく伝える必要性を感じ、“サルシカ”を設立しました。

「サルシカ」のたどる軌跡そのものが「コンテンツ」

田舎暮らしを伝えるために、どのような活動を行っているのでしょうか?

 活動には3つの大きな柱があります。「遊ぶ」「ふれあう」「暮らす」の3つです。「遊ぶ」では、大の大人たちが自然の中で本気で遊ぶ姿をWEB上に掲載しています(笑)。「こんなアホなことを真剣に楽しむ大人が三重県にはいる。三重県の田舎暮らしって楽しそう!」と思っていただけるような情報を発信しています。私たちのそんな姿を見て「楽しそう」「参加したい」と県内外からボランティアに来る人がいます。そこで「ふれあう」機会を増やして、地域の活性化につなげたいと思っています。
 1つの例ですが、以前に美里でツリーハウスを作るイベントを行いました。その時、ツリーハウスを作ることをWEBに掲載したところ、100人以上の仲間たちがボランティアとして駆けつけてくれたんですよ。わざわざ、高速を使って山形から来ていただいた方もいました(笑)。その方とは今でも交流が続いています。
 三重県出身で海外在住の方が、サルシカのホームページを見てファンになり、直接メールをいただいたこともあります。
 最後の「暮らす」ですが、「遊ぶ」「ふれあう」といった活動に賛同してくれた方に、いずれは三重県に移住していただきたいという長期的な目標です。
 このように、企画の開始から終了までのすべてを、ブログやホームページで公開することは重要な活動です。サルシカのたどる軌跡そのものを、1つのコンテンツとして楽しんでいただければ嬉しいですね。
 サルシカでは他に、「ゲンキ3(さん)ネット」という情報サイトの運営も行っています。このサイトは、県内各地で活動されている団体同士の横のつながりをつくると共に、団体からいただいた情報を広く発信していくことを目的に、2011年7月からスタートしています。

電柱設置のようす。
サルシカ隊員の技術と知恵が活動の幅を広げる

仲間たちと楽しみながら地域のための活動を行っていきたい

これから地域のために行おうと思っていることは何ですか?

 現在進めている活動に「美里プロジェクト」というものがあります。美里は「辰水神社のジャンボ干支(えと)」など面白い取り組みを活発に行っていますが、地域の利益につながる仕組みになりにくい側面もあります。
 美里は山や川の幸に恵まれています。それらを活かした飲食店や特産品の販売など、利益を得る方法は必ずあると思っています。恩返しの意味でも、地域の方と話し合い、ニーズを探りながら、時間をかけて「美里プロジェクト」を成功させていきたいですね。
 「遊び」の展望もあります。地元の休耕田を使って田植えをし、「サルシカ米」の収穫を計画しています(笑)。自分たちが食べるものを、自分たちの土地で作って食べる。すごくワクワクしませんか?地元の自然が育んだ食材を使って調理ができるオープンキッチンを設けて、誰もが気軽に立ち寄れる拠点を作ることも考えています。
 拠点造りといえば、譲っていただいたトレーラーハウスを「大人の秘密基地」として使えるように作業を進めています。内装や電気等の工事は、仲間たちが駆けつけて手伝ってくれています。「面白そうなことをやろう」と思ったときに、すぐに仲間たちが駆けつけてくれる。この気持ちが本当に嬉しいですね。
 これらの企画や事業を、自分の頭と体を使い、仲間たちと工夫しながら、自分たちの力で実施していくことを大切にしたいと思っています。
 私たちがやろうとしていることは簡単なことではありませんが、「こんな風にやったら楽しいだろうなぁ」と思っていることを実行していたら、いつの間にかうまくいっていたというところでしょうか(笑)。
 これからも、仲間たちでわいわい遊んで、楽しみながら地域のための活動を行っていきたいですね。

【データ】

特定非営利活動法人サルシカ
住所 〒514-0834 三重県津市大倉13-26
E-mail info-mail@salsica.com
ホームページ http://www.salsica.com/
http://genki3.net/(ゲンキ3ネット)
代表者 代表理事/サルシカ隊長 奥田 裕久
団体設立年月日 平成20年2月18日
NPO法人化年月日 平成20年4月25日
会員数 10人
サルシカ隊員数 310人
会費 正会員1,000円(入会金)5,000円(年会費)
賛助会員10,000円(入会金)50,000円(年会費)