理念と歩みから学ぶ NPO物語

理念と歩みから学ぶ NPO物語 Vol.32

皆さまに支えられて30年

特定非営利活動法人 天満浦百人会
理事長 北村 恵史(写真左)
副理事長 松井 まつみ(写真右)

スタートは地区のPTA活動から

特定非営利活動法人天満浦百人会(以下、「百人会」と略)の設立の経緯とこれまでの歩みについてお聞かせください。

 百人会は今から30年前、宮の上小学校PTA天満地区子供会の父母が子どもを通して地区PTA活動から芽生えた組織なんです。青少年育成天満町民会議を結成し、青少年が育つ良い環境づくりに取り組みました。昭和59(1984)年9月のことです。
 地区には自治会や老人会、生活改善グループに福祉グループ、総代会等があり相互に協力しながら活動を続けていましたが、子どもたちの成長とともに尾鷲市においても過疎・高齢化が進みました。天満地区においても同様で、しだいに賑わいが失われつつありました。これでは賑わいが無くなってしまう「なっとかしなければ」の声を度々聞くようになり、仲間と話し合いの結果、【天満をにぎやかな町にしょうらい】を目標に活動を開始しました。
 そんな中で平成11(1999)年東紀州体験フェスタという県のイベントがあり、隣町の海山町から天満を通る海沿いの明治の道、“猪鼻岬(いのはなみさき)まわり水平道(すいへいどう)”が注目されたのです。この道を通って尾鷲を訪れる人々を「もてなし」集客交流をはかろうと、15名のメンバーで「任意団体天満浦百人会」を結成しました。このもてなし拠点として天満集会所が大きな役割を果たしましたが、厨房が非常にせまく、日頃から「集会所の厨房を大きくするにはどのようにすればよいか」はお母さんたちの一大関心事でもありました。

特産品の開発・販売で厨房を広げ、NPO法人化に至る

 そこで特産品を開発し販売した利益で厨房を広げようと特産品を作りました。この地方で昔からあった「竹ようかん」前浜の「天草(海藻)」復活、特産の甘夏みかんジュース・ピール・マーマレードや陶器の地蔵を作り、市内のイベントや世界遺産となった熊野古道馬越峠の屋台店、毎月開催の尾鷲イタダキ市などで販売し、資金をコツコツと貯めました。
 これと並行して中部電力が所有する古民家(天満荘)をお借りして秋の名月を楽しむ「月と語る夕べ」、正月の「初日の出を見る会」三月のお雛さん祭り、夏は盆踊り等、四季を通じた活動を開催しました。年間1,000名以上の集客イベントを行っています。
 そんな時、市内向井町に県立熊野古道センターがオープンし、その隣に築150年の古民家を移築して地場特産品交流センター(通称 夢古道)を尾鷲市が建設し、そこでお母さんのランチバイキングを行う話がもちあがりました。一度はお断りしたものの、関係各位からの熱心なお誘いと尾鷲の味と手料理を提供する方針に出店を決意、このことを機に任意団体からより責任の持てる「NPO法人天満浦百人会」を設立、新しいスタートを切りました。
 この時7年間でコツコツ貯めたお金で災害時にも対応できるようにとの願いをこめて10坪の厨房「笑福工房」を新築しました。夢古道ランチバイキングは平成19(2007)年4月オープン。地産地消を第一に毎日20種類以上、尾鷲の旬の味を提供し、「今しかない!ここしかない!これしかない!」をモットーに尾鷲の母ちゃんで頑張っています。

“尾鷲の母ちゃん”たちの料理は、観光客だけでなく地元の人にも人気が高い。

自発的にできた「天満浦百人会応援団」と「天満荘応援団」

百人会には、応援団があると聞いたのですが…。

 NPO法人天満浦百人会応援団というのは若い人たちが自発的に集まってできた団体です。百人会で長年定期的にイベントをやっている中で、メンバーの一人の息子さんが嫁さんを連れてある日手伝いに来てくれたのが始まりです。さらに、自分たちのまわりにいる県職員や市職員、商工会議所や商店などの友達を呼んでくれました。百人会のイベントのお手伝いにボランティアとしてきてくれるようになったんです。ありがたいことに、毎年応援しにきてくれるということで、天満浦百人会応援団という名前をつけてくれて、今では友達が友達を呼び、20人の団員がいます。
 また、天満荘の運営をやっていくのに、応援をしたいと言ってくださる方がありましたので、天満荘応援団というものもつくらせていただきました。それはボランティアではなく、寄付という形で応援していただいています。一般団員は三千円、特別団員は一万円で応援していただいており、入会金のみで年会費はなし。現在100人以上の団員さんがあり、天満浦地区外や県外の方にも入ってもらっております。

災害時の避難場所として

天満荘を所有されたのは、なぜですか?

 避難場所に指定されている、天満集会所は高台といっても安心できる場所ではありません。天満の高台の広い場所、安全で安心できる場所は天満荘を置いて他にはありません。30人、40人が避難しても十分な広さがあり、20〜30の仮設住宅も建てられる広さがある天満荘を更地にして売却する話がありました。天満荘は築86年ですが日本建築のすばらしさを備えた建物で尾鷲の大切な財産、天満の宝物でもあります。この大切な財産を守り続けて行く事が天満浦の災害時に防災面からも大切な事だと思い、みんなで守ろう!と購入しました。
 東日本大震災を機に防災の考えが皆に意識づけられました。「笑福工房」の建築も「天満荘」の購入も、会員の努力と住民の協力によってなしえた仕事です。

「天満荘」では、普段はカフェや体験活動、文化講座を行っている。

【天満浦を笑顔で明るい“まち”に】を旗印に

百人会のこれからについて

 災害時の避難場所を守る、みんなで【天満浦を笑顔で明るい“まち”に】を旗印に目標を持って、頑張って行きます。そうすれば尾鷲市も明るい市になるのではと思ってます。そのひとつとして毎年3月に「天満お雛さま祭り」を開催していました。お雛さま祭りが「まちかどHOTセンター」の協力・指導により尾鷲市の他団体、民家等にも協力いただき、点が線になり、今では「尾鷲お雛さま祭り」となりました。
 この経緯から各地区が核となり切磋琢磨の活動をすれば、必ずや明るい笑顔のある“まち”になると思います。少子化や高齢化やとマイナス思考でなく、60歳が青年団、70歳が荘年団、80歳が熟年、90歳が高齢者、このような気持ちで百人会が他のサークルや団体と手をつなぎ、明るく元気な“まち”にして行きたいです。

※天満浦百人会という名前は百人という人数ではありません。多くの皆さんの協力によってまちづくりをしたいという願いをこめてつけました。

 

【データ】

〒519-3602 三重県尾鷲市天満浦1-6番地
TEL 0597-22-0768
  天満荘TEL&FAX0597-22-7880
ホームページ http://www.tenmaura.info
代表者 理事長 北村恵史
団体設立年月日  2000年3月12日
NPO法人化年月日  2007年6月13日
会員数 会員26名
会 費 年会費3,600円