理念と歩みから学ぶ NPO物語

理念と歩みから学ぶ NPO物語 Vol.28

村づくりは人づくり

特定非営利活動法人 伊賀・島ヶ原おかみさんの会
代表理事 穂積 澄子

島ヶ原をこのままにしておけない!

特定非営利活動法人 伊賀・島ヶ原おかみさんの会の創立の経緯とミッションについてお聞かせください。

 ちょうど、松尾芭蕉さんの生誕360年祭のときに設立したんです。なぜかというと、その頃から伊賀市の中で、市町村合併ということを口にするようになってね。「島ヶ原ってどこにあんの、島ヶ原って知らんわ」という言葉をきくことがありました。
 そういうことを言われたから「なにくそ」と思ってね。こんなに自然豊かな島ヶ原をそのままほっといたら大変なことになる。私たちが一丸となって、何かを発信していかなくてはいけない!このままいったら「島ヶ原は知らんわ」で終わってしまう!と思いました。
 この島ヶ原の美しい自然やいろんな文化を残していきたいし、皆に知ってもらいたいと思って、この島ヶ原で同じ思いを持った仲間に話しかけて、私たち地域の女性がみんなで力を合わせて、この島ヶ原の自然や歴史・文化を残して伝えていこうよ!と言って始めたのが「伊賀・島ヶ原おかみさんの会」でした。
 他の市町村のたくさんの友達にも応援してもらいました。そして、皆が今もずっと応援してくれて、支えてくれて今日まできているんです。それも地域の方々、お友達、子どもたちの支え、そして今はここへ来るお客さんに支えられて、現在、毎日皆が生き生き元気でやっています。

こだわりとおもてなしの心

活動の内容と工夫していらっしゃることは?

 この四季の移り変わりの自然を皆さんに観てもらい、知ってもらう。そして春夏秋冬、ここを訪れて頂けるリピーターが増えたらいいなということを私たちは考えています。島ヶ原の美しい自然や歴史文化を観てもらって、その中で、JR 島ヶ原駅の改札を下りてすぐのこの店「夢の道」で、お客様に食を提供しています。
 料理は「食べて頂いて美味しい地産地消」をモットーに、「旬の味は旬の味で」ということで手づくりでつくっています。
 朝、8時半に来たら、一番先に材料見て、ほんなら今日はこれとこれで、こうしようかと皆で相談して、お客さんに料理を提供するんです。それが私たちのこだわっている安心安全ということ。おもに、島ヶ原で無農薬で作って、栽培のほうも自分たちの手でするようにしています。
 やっぱり「心」が大事。心と心、人と人との出会いを繋げていくのは「心」ですね。おもてなしの心が大切だと思っています。

地場産・旬の味にこだわった「おかみさん御膳」

役割分担は「ひとり一役」

スタッフの役割分担はどのようにされているんですか?

 おかみさんの会は九つの分科会に分かれているんです。それで「役割分担は、皆がひとり一役」というのが私の口癖なんです。「ひとり一役、女性生き生き元気、おもてなしの心を大切にしながら、一人一役同じ汗を流しましょう」ということで始まったグループなんです。
 現在「紙芝居班」「イベント班」、毎日お料理を作る「まめまめ工房班」「景観美化班」「もの作り班」「じゃがもち班」「ケーキ班」、それから「山菜研究班」「企画広報班」に分かれています。

地域の子どもたちとの交流

地域に直接出向くこともあるとお聞きしましたが、例えば?

 例えば、小学校の食育の授業に参加させてもらって、子どもたちの料理のサポートをしています。「夢の道」でお出ししている「おかみさん御膳」というメニューを参考にし、子どもたちのアイデアを集めた「島っ子定食」というメニューを考えてくれる機会がありました。そのメニューを実際に調理する授業へ私たちが駆け付け「味付けが辛いな、もうちょっと…」と一緒に相談しながら完成しました。
 ある時、その後のお礼状がきて「自分もおかみさんのように、地域のリーダーでいきたい」と書いてくれた子がいました。島ヶ原の子どもたちがそういう気持ちになってくれたということは、私たちが何らかのお役に立たせてもらえたんかなぁと考えると、涙がでるほど嬉しいですね。

島ヶ原小学校5年生との交流

次世代に引き継がれていくもの

継続したまちおこしをするために大切にされていることは?

 「村づくりは人づくり」だと思います。私たちは皆、年を重ねていく。年を重ねていく中で、次の世代に島ヶ原の魅力を伝えていきたい。そして、また次の世代の子がその次の世代の子に引き継いでいく。
 やっぱり、若い人を育てやなあかんということは常々思いますね。ここ島ヶ原には、いろんな知恵があります。昔から、おふくろさんとかおばあちゃんの知恵とか、そういう知恵をいっぱい皆が持っていてくれている。そういう知恵を今度は若い子に伝える。それでまた、次の世代の子に伝えていく。そういう知恵をこれからいろいろ残していきたいなと思っています。

第二のふるさとと次のステップ

将来展望はどのようにお考えですか?

 おかみさんの会を、第二のふるさとと思ってもらいたい。「夢の道」の隣の穂積製材所で、関西や中部圏の学生さんたちが木工体験が出来るプロジェクト活動「穂積製材所プロジェクト」を頑張ってくれています。その若者たちが卒業して都会に出ていってからも「ただいま」といつでもまた戻ってきたくなる第二のふるさとのような場所に「夢の道」をしたいんですよ。それが私の望み。
 実際に、「家に帰るより先にここ」といってくれる若者も多いんですよ。そういう人たちが増えるようなことをこれからもっと考えていかなあかん。それが次のステップです。今度はその子たちがここをしょって立てるような場所にしていかないかんなと思っています。自分たちの後ろ姿を若い子は見ているから「おかみさんら、島ヶ原のために頑張っているんやな。僕たちも見習ってなんかしやな!」と思ってもらう。若い子は若い子のやり方で展開して、この島ヶ原が元気になればいいなと考えています。

真の地域づくりを目指して

おかみさんにとっての理想のまちおこしとは?

 老いも若きも男女共に、まちおこしを展開していく。それが私たちの夢でもあるんです。
 やっぱりそりゃまぁ、補助金もいただきたいです。お金はのどから手が出るほど欲しいけど、こんなご時世ですからね。それよりも、皆で何とかしていけたらいい。震災の復興活動みたいに頑張っていかな出来へんのやから、そうしていったほうがいいかなと思いますね。何でも、お金もらってするんじゃなくてね。そういうことしていかな、真の地域づくり、まちづくりは出来へんかなということを実感してます。そうしていくことによって夢もまた膨らんでいきま すしね。

県内外の延べ400人で賑わった「オーキニ祭り」

 

【データ】

〒519-1711 伊賀市島ヶ原5844番地
Tel 0595-59-2024
E-mail iga-okamisan05@ict.jp
ホームページ http://www.ict.ne.jp/users/iga-okamisan05/
代表者 代表理事 穂積 澄子
団体設立年月日  2003年2月1日
NPO法人化年月日  2005年10月7日
会員数 約60人