理念と歩みから学ぶ NPO物語

理念と歩みから学ぶ NPO物語 Vol.21

世界一の環境先進大学をめざして

三重大学環境ISO 学生委員会
委員長 平野 穂波

三重大学生の環境マインド向上を当初の目的として

創設の経緯とミッションについて教えていただけますか。

 三重大学が環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」認証取得を果たすため、前学長がキックオフ宣言をされたのですが、その際に三重大学の教職員だけではなく一般学生の環境意識を高めるために、学生による組織として三重大学環境ISO 学生委員会(以下、「学生委員会」と略)が設置されました。
 学生委員会は、学内外の環境活動だけではなく、三重大学生の環境マインドの向上ということを第一の目的として日々活動を行っており、世界一の環境先進大学をめざす三重大学の環境活動の一翼を担う中心的存在となるよう努めています。

環境にかかわる取り組みを学内外でさまざまに展開

ミッション達成のための活動や組織はどのようになっているのでしょうか?

 環境ISO 学生委員会は、グリーンキャンパス部、地域連携部、国際環境部、広報部、総務部と5つの部によって構成されています。主に三重大学内の環境活動としてエコバッグ配布(全学生・教職員)による大学生協のレジ袋削減などのReduce(廃棄物の発生抑制)、キャンパス内の放置自転車を回収、修理、点検して新入生などに譲渡、再利用に供するReuse(再利用)、古紙回収とトイレットペーパーへの再生利用などのRecycle(再生利用)といった3R活動や堆肥化した落ち葉を用いた花壇で花を育てる学内緑化のグリーンキャンパス活動などを行っています。
 今年(2010年)は新しいReuse 活動として、3月に卒業生からテレビ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、炊飯器の5品目の家電製品を回収し、修理・点検した後、4月に新入生や留学生に譲渡するという活動「まわれ!!リユースプラザin 三重大」も行いました。

身近な課題の改善に取り組む

課題をどのようにとらえ、活動に結び付けていらっしゃるのですか?

 例えば、今ご紹介した「まわれ!!リユースプラザin三重大」は事務局学務部から「家電製品の不法投棄の問題があるので、協力していただけないか」とお話をいただいたり、校舎外壁に植物の生育によって建物内の温度上昇を抑える緑のカーテンの取り組みは、施設部から声をかけていただいたりと、学生委員会が発案して活動することも多いのですが、他の学生や教職員から提案いただいたり、サポートしていただきながら取り組んでいます。

「町屋海岸モデル」をきっかけに、さまざまなネットワークが広がる

学外との地域連携についてお聞かせください。

 地域連携部では本学のキャンパスに隣接し、不法投棄問題を抱える町屋海岸の清掃を、地域住民の「NPO法人町屋百人衆」という団体と協力して行っております。次回* は11月21日に海岸清掃があるのですが、その海岸清掃で23回目となります。
 最近では100人を超える人数で学生も参加して活動しています。町屋百人衆や学生委員会などがゴミ拾いなどの海岸美化活動を行い、津市が回収した不法投棄物の処理を行っています。
 学生委員会は「町屋海岸モデル」の構築および運用を目標としています。町屋海岸モデルとは、共同実施者として、中部電力株式会社の産(民間企業)、三重県・津市の官(地方自治体)、三重大学・津市立北立誠小学校の学(教育・研究機関)、町屋百人衆の民(地域住民)の産官学民が協力して、"素足で走れる町屋海岸"をめざすものです。

*インタビューを実施した2010年11月8日時点であるため【編者注】

北立誠小学校での環境学習のひとコマ

 もう一つの町屋海岸モデルの活動として、大学近くにある北立誠小学校の児童に、海岸清掃をしてゴミをなくしてきれいにするだけではなく、ゴミを捨てない人材を教育していく必要があるということで、環境学習を行っています。昨年(2009年)は「どうしたら不法投棄をなくせるだろうか」をテーマに、児童にポスターを描いてもらいました。そのポスターの中から4点を不法投棄防止啓発看板として選び、町屋海岸に設置しました。
 2010年は6月に第1回環境学習を行っており、今年は多くの生物が棲み身近な環境である川について学ぶことで、こどもたちに生物多様性を学んでもらうことを目的としました。内容は、事前に北立誠小学校傍を流れる志登茂川の上流・中流・下流の水を取って来て、水質調査でCOD(化学的酸素要求量)を調べました。どうしてCOD値が違うのだろうかということについて子どもたちとともに話し合いを行い、こどもたちと一緒にわたしたちも学んでいます。
 ほかにも地域貢献活動として、津なぎさまち(中部国際空港への海上アクセスの拠点)でも毎年、津市と連携して環境をテーマにしたイベントを行っています。

三重大学環境ISO 学生委員会メンバー

もっと広報活動に力を入れて、環境マインドの高い学生を増やしていきたい

課題と将来展望については、いかがですか?

 先ごろ全国青年環境連盟(エコ・リーグ)主催のエコ大学ランキングの全国1位に三重大学が選出されました。他大学と比べて、学生が積極的に活動している点が評価されたようです。
 課題というのは、環境意識の高い学生はまだ少ないので、環境について興味があったり、意識を高めていこうという学生がもっと増えていかなければいけないと思っています。ゴミ減量対策で看板を設置しても、ゴミが捨てられていることがあったり、環境意識の低い学生もまだいるのではないかと思うので、もっと学内や掲示板、ホームページなどでの広報活動に力を入れて、環境マインドの高い学生を増やしていこうと考えています。
 また学長と共に私たち学生委員会も三重大学を世界一の環境先進大学とすることを目的としていますので、学内、学外だけでなく世界に向けてもっと活動をアピールしていきたいと思います。

COP10で取り組んだ多くの活動の1つ「国際環境教育シンポジウム」

【データ】

〒514-8507 三重県津市栗真町屋町1577
Tel 059-231-9224(環境ISO 推進室)
E-mail query@iso.mie-u.ac.jp
ホームページ http://www.iso.mie-u.ac.jp/student/
代表者 平野 穂波(委員長)
団体設立年月日  2006年2月21日
会員数 150名