理念と歩みから学ぶ NPO物語

理念と歩みから学ぶ NPO物語 Vol.15

『民でなければできない
中間支援組織を目指して』

特定非営利活動法人 市民ネットワークすずかのぶどう
代表理事 井田 輝門

 

特定非営利活動法人 市民ネットワークすずかのぶどう(以下、「すずかのぶどう」と略)の、ミッションと目指しておられるところを教えてください。

 もともと任意団体の「市民情報ネットワークすずかのぶどう」という名称でした。「情報」という文字が入っていたのは、少ない人数でネットワークをつくりながら、 お互い情報を共有できたらいいねというのが最初の趣旨だったんです。すずかのぶどうのマークも、いろんな人がつながるのをイメージしてデザインしました。
 法人化するときにできるだけ分かりやすい名前にということで、「情報」を外して「市民ネットワークすずかのぶどう」という名称にしたんです。だから、いろんな団体や個人を含めてネットワークができることを目指して決めました。

パソコン講習からはじめた支援

では、目指しておられることの為に、しておられる具体的な内容は?

 事業の中で一番多いのは、パソコンを使った講習と相談が上位を占めています。2001年頃に国のIT戦略1(ワン)があり、全国で一斉にパソコン講習が始められました。設立当初から鈴鹿市のお手伝いをしながら進めてきました。当時は講座数も多く、講師も確保していましたが、その戦略1が終了ということで、県も市も無料のパソコン講習もなくなり、その後、鈴鹿市が独自に予算化して有料の講座を続けてきました。現在も鈴鹿市とは毎年協定を結んで、情報化推進の活動を行っています。
 でも、それだけで運営していくのは大変難しいです。ご存知の通りOS(Operating System)そのものも、ずい分と変わってきています。ソフトもパソコンも変わってきており、それに対応して次々に新しいものに更新していくのは無理があります。
 あくまでも私たちの目的は、パソコンになじめない人々がパソコンを使えるようになって自分の趣味なり何なり、楽しみを持てるよう裾野を広げることなんです。そういう意味ではニーズは減っても、毎年毎年初めての方が出てきますので、役目は果 たしているんですが、事業としての絵はなかなか描けない。当初はIT講習の収益を他の事業に注ぎ込んでいくということができましたが、最近はそうもいかなくなっています。

代行業務と情報サイトの充実

 電話代行、事務所代行、事務局代行で小さいのを含めれば7〜8団体のお手伝いをしています。これは民でなければできない中間支援だと思います。
 それと、鈴鹿市がボランティアや市民活動団体の情報サイトを立ち上げて3年目に入るのですが、その管理運営の委託を受けています。情報サイトの充実をすることが、すずかのぶどうの本来業務とも一致しており、大事な仕事の一つだと考えています。
 各団体とのかかわりの中で鈴鹿市の担当グループと相談しながら、名前だけで実際に活動をしていないところを削除したり、新しい団体を登録したり、現在は整理段階です。新しい団体の場合には、ホームページでの情報発信が苦手なところもあるので、「情報雑貨店(事務所)」隣の「B-チャレンジin白子」に来てもらい、一緒に相談しながらホームページ作成のお手伝いをしています。
 難しいのは、すずかのぶどうがお手伝いのつもりでも、団体の方はしてもらえると思い込んでいたりして、気をつけなきゃいけないと思っています。育ってもらうためには最初はできるだけお手伝いしても、どこから手を離していくか、お互いに自立というのが難しい課題です。

環境をキーワードにしたネットワークの広がり

「情報雑貨店」と「B-チャレンジin白子」
「B-チャレンジ」はフェアトレード商品、授産施設商品の紹介・販売などにも活用

企業とのかかわりについては、いかがですか?

 企業とのかかわりといえば、「やすらぎくんネット」の事務方を引き受けているのですが、8月の“夏の鈴鹿川体験”と1月の“鈴鹿川流域の環境展”と年に2つイベントをやっており、今年で10回目になります。もともと県が中心にやっていた事業を地域の皆さんが引き継いで5回目になるんです。資金の自立ができていないんですけれど、鈴鹿市の市民活動助成の申請をしながら、自分たちで資金を稼ぐ工夫を始めています。
 “夏の鈴鹿川体験”は清芳園という日本茶製造・卸会社の加藤社長が実行委員長を、“鈴鹿川流域の環境展”については「やすらぎくんネット」の会長でもある鈴鹿ハンター(ショッピングセンター)の森田社長が実行委員長です。
 他にも企業では鈴鹿富士ゼロックスや住友電装など、環境展では中部電力がPRに参加されたり、鈴鹿市、亀山市、三重県鈴鹿県民センターなどの行政、地域の自治会や地域づくり協議会、「地球クラブ」や「亀山の自然を愛する会」といった団体など、環境をキーワードにした周辺地域も含めたネットワークになっており、私たちも事務方としていろいろ勉強させてもらっています。

NPO支援講座で協働をしたプロセスが財産

鈴鹿市NPO支援講座

行政とのかかわりについては、どうでしょう?

 鈴鹿市と共同開催という形でNPO支援講座は4年続けています。運営会議的な場を持ち、双方が意見を出しながら企画から当日の運営まで協働で実施してきました。このプロセスを4年間経験できたことが、すずかのぶどうの財産になっています。一つの講座を仕上げるのに、年度後半に6〜7回以上、月1回の割合で夜間に会議を持ってきました。
 そういう経験からも本音で議論できる場の必要性を実感しました。そのためにはこれから鈴鹿市の環境整備の中でコーディネーターを育てることも必要でしょうし、あるいは中間支援機能を持った市民活動センターが生まれてくるべき時期なのだと思いました。

今後の課題、あるいは将来展望については、どうお考えですか?

 課題の一番は、代表をやって任意団体から9年です。私自身、年もとったし、いかにこれを引き継ぐのか、引き継ぐ必要性があるのか、今後どういう形が理想なのか、真剣に検討すべき緊急課題ですね。ただ、民設民営の中間支援組織は少なくなってきているので、他の地域みたいに行政につなげるのか、つなげないのか、その辺も踏まえて、さらに充実させるのか、転換期ではあると思っています。
 また、このほど白子商業開発株式会社のご好意で、白子ショッピングタウン サンズ3階に事務所を移設し、活動拠点を設けることができました。まちの賑わいの 核を目指すショッピングセンターでどうかかわり、役立つかを問われることになります。

【データ】

三重県鈴鹿市白子駅前9番20号
白子ショッピングタウン サンズ3階
Tel 059-387-0767
Fax 059-387-0767
E-mail budou@mecha.ne.jp
ホームページ http://www.budou.gr.jp/
代表者 井田 輝門
団体設立年月日  2001年4月1日
NPO法人化年月日 2004年4月1日
会費 一般会員年会費3,000円